想々啖々

絶世烟る刖天歌。文学者が思想を日常に翻訳していればいい時代は既に去った。

加速論 プロトタイプ vol.2 (2018/08/26/17/36暫定)

環境Enは、何らかの対象Gによって構成されたディシプリンである。環境Enにおいて、一切の対象は存在を保持する必要があり、存在を自己の恒等射として保持しなくなったとき、環境Enにおいて自己は要素から除かれる。何らかの環境において系の要素を《存在の恒等射を剝奪する=排除する》作用を淘汰(banishment)と呼ぶ。自己が環境Enへ新たに要素を追加することを生成(generation)と呼ぶ。環境において存在を維持することを存続(continuance)と呼ぶ。
*「構成する」とは、規約を定めて(超)構造やディシプリンを生成することを指す。
*環境は、人間種族において生物学的な自然のみを指さない。ある経済システムにおいて何らかのコンテンツや商店が存在し、その幾つかが淘汰されるとき、これも環境たりえる。これの構成者は、故人を含む人類である。

 

・加速を用いるのは、例えば以下のようなときである。
対象Oが、環境En下にある自身O'または他の対象Pの生成および存続を図るとき、これを妨げる作用をはたらく対象Qを牆壁(obstruction)と呼ぶ。牆壁Qの作用を蒙らない(超)構造/環境へ対象OO'Pを同型で写すとき、この環境および同型射を游離(escape)と呼ぶ。游離Esへ写ったO'およびPEsにおいて生成/存続する。Esにおいて《成熟した=牆壁によって生成/存続を妨げられなくなった》O'およびPを同型によってEnへ写すとき、O'Pを「(游離Esによって)加速された」と言う。二度の同型射を作用させる、この一連の過程を加速(accelerlation)と呼ぶ。
*同型(射)(isomorphism)とは、2つの系X, Yがあり、どちらに関しても外部にある対象Mがあるとき、要素x∈XをYへ要素y∈Yとして加えることである。同型射を作用させることを「写す」と言う。Mにおいてのみ、xとyは《同一の対象とされる=同型射idxy: x→yで作用される》。あるいは、Mにおいてのみ、xとyが自身の操作によって写ったことを記憶/履歴としてもつ。
*人間種族においては、例として、物理レイヤに対する游離として仮想レイヤの構成がある。仮想レイヤとは、物理エンジンを含むコンピュータシミュレーション系や、あらゆる個人の妄想/想像などがこれに当たる。仮想レイヤにおいて知見を堆積することで、きわめて低いコスト/リスクで物理レイヤにそれを実現することが可能である。